COLUMN
2023.03.03
いまなぜ社外取締役が必要なのか【Vol.1】 わたしが「JSEEDS」を立ち上げた理由
JSEEDS 一般社団法人社外取締役コンソーシアム...続きを読む
2023年8月17日、人事財務及びリスクマネジメントの領域において、企業の業績向上を支援するWTW(ウイリス・タワーズワトソン)が、2023年時点での日米及びヨーロッパ主要国における社外取締役報酬の比較を発表しました。
そこで、こちらのレポートから社外取締役の報酬に関わる部分を抜粋し、社外取締役の報酬について紹介します。
①日米欧社外取締役報酬比較
ここでは、社外取締役の報酬の中央値が日・米・欧の間で比較がされています。
日本の社外取締役の年間報酬の中央値は1,680万円となっています。
こちらの数字の出し方について、
一般的に株式報酬が導入されている米国を除き、欧州諸国と比較すると日本の社外取締役の報酬水準はそこそこ高めと見れるのではないでしょうか。
社外取締役報酬は、日本が昨年比6.3%増と最も高い成長を示しており、現金報酬だけを見ると、すでに欧米企業と遜色ない水準にあると言えそうです。
近年はコーポレートガバナンスの改定により求められる期待や役割はますます高くなっており、社外取締役への需要に対する供給が追い付いていないように思われます。
こうしたなか、社外取締役としての資質を備えた貴重な人材に対して複数の企業からオファーをもらう社外取締役も少なくなく、社外取締役バブルとも揶揄される状況となっています。
そのような状況下で、欧米水準に合わせた現金報酬の増額には限界が見えつつあります。報酬体系について欧米諸国を見習うのであれば、独立性基準に反さない範囲での株式報酬の活用や、取締役会議長や各種委員会の委員長等の役割に応じて報酬額に差をつける形での増額が選択肢として考えられます。
今後、日本企業がこうした報酬の高額化や株式付与を含めた報酬体系の複雑化へと進み続ける可能性が考えられます。
そこに進むにあたって、前提となる土台として社外取締役の役割や報酬ポリシー、個人別の報酬額などについて、株主に対してより高いレベルでの説明が求められてくるのではないでしょうか。